民主党の子ども手当は本当にお得なの???という疑問

月額1万6千円の「子ども手当」盛る 民主マニフェスト
http://www.asahi.com/politics/update/0812/006.html

少子化対策と同時に女性の社会進出を促す狙いがあるそうです。でも本当にそんな効果あるんでしょうか。むしろ逆効果じゃない???女性の立場からすれば、正直しんどい・・・というところでは。手当充実!いいことのように聞こえますが、これをするのに3兆円かかるそうなんですけど、配偶者控除(7000億円)と扶養控除(1兆7000億円)を廃止することで補うそうです。4000億も足りませんが、これは上記の社会進出した女性の所得税を充てにしているのかな?
つまり「主婦手当や高校生以上の子どもやおじいちゃんおばあちゃん(扶養家族)手当はカットするから、働いて補いなさいよ」ということなのでは。しかも1万6千円程度で。さらに中学まで。なんてセコい!パートという、時短で非課税という、不安定だしやりがいも薄いけど家庭の仕事を両立しやすい方法も奪われて「産め、働け」と言われているかんじを受けます。じゃあ、どうやって育てるの?みんな保育園、学童保育、中学生から鍵っ子、なのでしょうか。

さらに、いろいろ利点のあるパートの代わりに安定して20万円(手取りで17万くらい?)の給料がでる就職口が果たしてあるのか。月々8万円分だけ働いて、残りの時間は家事や子どもと一緒に過ごせるからメリットがあるわけです。家事がこなせない、子どもと一緒に過ごせない分の出費を考えると、20万程度の仕事じゃないと割に合わないと思います。まあ、これから団塊の世代がリタイアして労働力が減るから雇用は増えると思いますが、ただでさえ派遣や契約社員という使い捨て労働力を企業が求めているなかで、子どもが独立するまでの少なくとも18年の間(30で産めば48歳まで。下の子もいる場合はその後も)お母さんたちは仕事を続けないといけなくなるわけです。たぶん、給料や労働環境は足下を見られてたたかれることになるでしょう。8万円+時間に見合うメリットのある長期的な仕事を望む人たち全員に、民主党は提供できるのでしょうか。働きたくないから主婦をしているわけじゃない、そもそも主婦だって立派な仕事だし(保険会社の試算によると1ヶ月に主婦の月給は28万円だそう。これは高い気がするが)、総合的な損得勘定で主婦+パート・アルバイトという道を選んでいるわけです。「女性たちよ、もう控除って道はないから、自力で社会に進出してね」って言われてもねえ。社会が払える労働対価と家庭が必要とする収入の計算がなりたっているんでしょうか。仕事はない、でも働け、では困ります。

さらにさらに、出産費用がないから子どもを産みたくないわけではないかと・・・。

出産費用は一時のことなので、貯金しないといけないですがなんとかできなくはないです。(でももしできるんだったら医療費として認めてはどうでしょうか。三割負担で。そのかわり、趣味のように病院に通う老人には、別の場所でもっと安価に楽しんでいただくとか)でも、そんな理由で産まないわけじゃない。子育てと仕事の両立が困難と誰もが思っている現状が問題なのだと思います。「キャリアの中断はプラスかマイナスか」と女性は悩み、「女性はどうせ家庭に入るから期待しない」「妊娠したら辞めさせる」と人事は考え、「子どもの用事で休まれたら困る」と上司や同僚はヒヤヒヤしている。なのに、「少子化は困るから女性は子どもを産め」と言われても「おじさんたち勝手ねえ」と思ってしまう。誰がどうやって育てるの。
・産んでも辞めさせないですか?ちゃんとキャリアが継続できます?少なくとも1年ブランクありますけど。
・子どもが風邪引いたときくらい、気兼ねなく休ませてください。なんでそれが迷惑なんですか。
・残業なんかできませんよ。当たり前だけど。どうしてもっていうなら旦那の会社に電話して帰れるように交渉してください。
子育てって仕事以上に待ったなしだと思います。前の職場でベビーシッターさんを自費で雇ってフルタイム以上で働いていた方がいましたが、どうしても雇えないときはお迎えに行ってからまた会社に戻ってきたり、本当に大変そうでした。(しかも残業代も出ないし!!)

そもそも、どうして子育て手当の財源が、扶養手当のカットになるんだろうか・・・。一般家庭にとってはプラマイマイですから!!!だったら国防費とか建設費とかをざくっとやって欲しい。国政選挙費用だって一回700億くらいって言ってるし、議員や公務員の海外リゾート視察とか、公務員の余剰労働とか、誰も通らない道とか要らないダムとか、無駄づかいしている歳費をつぶしていけば、3兆円くらい楽にでるのでは?でないかな。まあそれより国の借金を減らしてほしいので、少子化対策はお金だけ垂れ流すのではなく、コストに見合った本質的に効果のある仕組みづくりを考えてほしいもんです。

少子化だから、お国のために、子どもを産まなきゃとは思いません。少子化だから子育て支援をするんじゃなくて、子どもを育てるのがしんどい社会は歪んでいるからそれを正して欲しい。楽だから扶養家族に甘んじているわけじゃありません。得だし現実的だから。女性が仕事で能力を発揮することを本当に切望するのであれば、まずその問題だけを見つめるべき。出生率低下から奇跡のカムバックを果たしている北欧の国々は、けして「手当で解決」しているわけじゃないことから、もっといろいろと学べると思うんですけど。ついつい北欧=高税金!というところで思考がとまっちゃうんでしょうか。

なんだか勢いだけでまとまりない文章ですけど、とりあえず民主党マニフェストは「考え直し」でお願いします。